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2018年4月号

  • かかりつけ指導料、判断理由を記載【厚生労働省・2018年度診療報酬改定説明会】

    ‐「薬剤師記入欄」を新たに設ける‐

     

    ■厚生労働省は、都内で2018年度診療報酬改定説明会を開き、かかりつけ薬剤師指導料(73点)の同意書の様式に、薬学的観点から、患者にとってかかりつけ薬剤師が必要だと判断した理由を記載する「薬剤師記入欄」を新たに設けることを明らかにした。
    また、患者に文書で提供することになっている「かかりつけ薬剤師に関する情報」については、▽経歴▽認定薬剤師、専門薬剤師資格▽修了した研修▽論文、学会発表の実績▽所属学会・団体▽連絡先――などを挙げた。

     

    ■新たな同意書は4月から適用されるため、3月までに取得した患者同意については従来の同意書も有効と厚労省は説明した。基準調剤加算の廃止に伴い、新設された「地域支援体制加算」(35点)の施設基準の一つになっている「地域の医療従事者との間で医療安全につながる情報を共有する体制整備と、一定の実績」については、薬局機能情報提供制度において、薬局に報告を求める項目として追加する「プレアボイド事例の把握・収集に関する取り組みの有無」を有していることとし、19年4月以降に適用する。
    施設基準の一つとなっている「副作用報告体制の整備」については、今年10月以降に適用する。

     

    ■敷地内薬局を想定して10点に抑えた「特別調剤基本料」の施設基準の一つとなっている「病院と薬局間での不動産取引等その他の特別な関係」に該当する事例として、▽医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある▽医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局▽医療機関に対し、薬局が所有する会議室その他の設備を貸与▽医療機関から開局時間の指定を受けて開局――を挙げた。

     

    ■処方箋の集中率が高くても、減算の対象としない「医療資源が少ない地域の薬局に対する特例」として、▽中学校区の医療機関数が10以下で許可病床数200床以下の病院がない▽処方箋受付回数が月2500回以下――の薬局が該当するとの考えを示した。

  • 広がる抗癌剤の分割使用‐薬剤費削減効果、相次ぐ試算。【厚生労働省】

    ‐巨額の廃棄実態も明らかに‐

     

    ■注射用抗癌剤について、一つのバイアルを2人以上の患者に分割使用する薬剤バイアル最適化(DVO)の検討が広がってきている。分割使用した試算結果からは、全国の医療機関における抗癌剤の廃棄実態が相次ぎ判明し、数千万円単位の薬剤費削減効果が得られると結論づけられている。まだ現時点で安全性の検証が大きな課題として残るが、無菌状態を保つ閉鎖式薬物輸送システム(CSTD)を用いた検証も着実に進んでいる。厚生労働省は、安全基準に関するガイドラインを検討中で、国が一定の基準を示すことにより、抗癌剤の分割使用は一層加速する可能性が高まってきた。

     

    ■横浜南共済病院(横浜市金沢区)では、抗癌剤の廃棄金額、CSTDのコスト、無菌製剤処理料を算出。安定性が3時間以内の薬剤を除外し、分割使用できる期間を7日間とした上で、CSTDを用いて分割使用した場合としない場合を比較した。
    昨年7月から約2カ月間使用した抗癌剤を分割使用した結果、廃棄量は5.18%から0.69%、廃棄金額も1370万円から467万円に大幅に減少した。ただ、CSTDの使用による無菌製剤処理料の収入が45万円から178万円に増えた反面、CSTDコストが17万円から633万円に大幅に上昇した。

     

    ■抗癌剤の廃棄量が多かったのは、「ジェブタナ」「テモダール」「フィルデシン」「ピノルビン10mg」「エルプラット50mg」「ハイカムチン」「ベルケイド」となったが、これらを分割使用した結果、廃棄量は約80%削減された。特に「テモダール」「エルプラット」「ハイカムチン」「ベルケイド」の廃棄量は2%以下に大幅に削減されたことが分かった。

     

    ■廃棄金額を見ると、「ベルケイド」「アバスチン400mg」の2剤で削減額は全体の5割以上に達し、廃棄金額は全体で約900万円削減された。CSTDコストと無菌製剤処理料を全て加味すると、抗癌剤の廃棄金額は約400万円の削減となった。

     

    ■同院薬剤科の試算では、CSTDを使った分割使用により、抗癌剤の廃棄金額を年間約2400万円削減できるとしている。ただ、無菌製剤処理料を大きく上回るCSTDコストが発生するため、無菌製剤処理料の見直しを提言している。

     

    ■富山市民病院(富山市)では、昨年7月から9月までに使用した抗癌剤の薬剤費、分割使用した仮定の薬剤費を比較検討し、薬剤費削減効果を試算している。分割使用は当日使用のみが対象。その結果、薬剤費が3カ月で約353万円、年間で約1400万円以上削減できるとされた。最も削減額が大きい「アブラキサン」「アバスチン」など上位4剤は先発品が占め、削減できる薬剤費のうち先発品が全体の8割を占めた。同院薬剤科は「先発品に限定して分割使用を行うだけでも効果はある」としている。

     

    ■勤医協中央病院(札幌市)では、15年4月から昨年3月まで実施された入院・外来化学療法のうち、無菌調製した7152件の廃棄量、廃棄額を検討すると共に、DVOを実施した場合の試算を行っている。対象は当日に無菌調製した全品目。その結果、当日にDVOを実施した場合、2年間で約2800万円の薬剤費が削減できるとされた。また、溶剤と溶解後6時間の室温、散光条件下で安定性が認められた凍結乾燥製剤に限っても、約1800万円の削減効果が得られると試算された。

     

    ■2年間で無菌調製した抗癌剤の53.8%で残液が廃棄され、その廃棄額は全体で約8800万円に上った。抗癌剤ごとの廃棄額を見ると、「ベルケイド」「ビダーザ」「アバスチン」「アブラキサン」「アリムタ」「ジェブタナ」「ハラヴェン」など上位10品目だけで全体の86.8%を占め、これら10品目に限った廃棄発生は64.3%となった。そのうち、「ベルケイド」「ジェブタナ」「ハラヴェン」の3品目については100%廃棄が発生していた。

     

    ■同院薬剤部は、廃棄額上位10品目のうち5品目は1規格しかないことを廃棄率が高い要因に指摘。その上で、一部の抗癌剤に限ってもDVOの実施は薬剤費削減に効果があると結論づけている。