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2019年4月号

  • 地域連携薬局「既存内容生かす」‐ 厚労省・森審議官が特別講演

    ■第3回JACDS薬剤師学術セミナーの特別講演で、厚生労働省の森大臣官房審議官(医薬担当)が今通常国会に提出される改正医薬品医療機器等法に関連し、薬局と薬剤師のあるべき方向性を解説すると共に、今後の期待を述べた。

     

    ■今回の薬機法改正に関連した薬剤師・薬局のあり方の見直しの中では、患者のための薬局ビジョンを原形に、特定の機能を有する薬局機能の認定として「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」と呼称する薬局のカテゴリーが法制化されることになっている。
    森氏は「地域連携薬局はかかりつけ薬局。専門医療機関連携薬局は、癌患者などのように非常に専門性の高い治療を行っている患者を引き受けるための専門病院と深い連携関係を持って仕事をする薬局」との見解を示し、この二つを法律上で管理していくことを説明した。

     

    ■これら特定機能を有する薬局は、都道府県知事の認定とし、構造設備や業務体制に加え、機能を適切に発揮していることを実績による確認するため、1年ごとの更新とする方針を説明。森氏は、「毎年実績を確認させてもらう形にして、患者さんから見て分かるということと、実績があることを認定して担保することを目指そうということが二つの新しい名称の薬局に求められる」とした。

     

    ■一方、認定手続きについては、「実績や認定の仕組みのハードルをいきなり上げてもついて来れない。認定する都道府県や薬局側の負担とならないよう、地域連携薬局は既に取り組んでいる内容を最大限生かせるような形にしたい」との方向性を示した。
    専門医療機関連携薬局について、「高度専門の薬局の数は少なく、トレーニングする必要もある」とし、法施行まで時間をかけて取り組んでいく考えを強調した。これら薬局の呼称について、森氏は「言葉の定義が難しく、一般の患者さんや国民が分かるかといえば課題がある。もう少し分かりやすい呼び名を考えなければならないかもしれない」との認識を示した。現在、取り組みが進められている「健康サポート薬局」については、「かかりつけ薬局プラス健康サポート機能という2階建て構造の薬局をトータルでそう呼んでいるが、この表示については法律ではなく省令レベルで書かれている。健康サポート機能の部分をもっと発揮しやすくするような検討はまだ必要になる」と説明。その上で、「健康サポート機能は法律に明記すると窮屈なため、法律で縛ることはしていない。むしろ、もっと健康サポートの機能を進化、発展させて、患者になる前の健康な人たちに魅力を感じてもらえるような様々な健康サポートサービスにもっとチャレンジしていただきたい」とし、「今後、制度として下支えできる部分があれば、次のチャンスで対応したいと考えている」との私見を示した。

     

    ■また、今回の法改正では、薬剤師が調剤時だけでなく、患者の服薬状況の把握や服薬指導を行う義務を法制化し、他施設の医師、医療従事者に患者情報を提供する努力義務を盛り込んでいる。森氏は、「これまでは調剤して販売授与するときに服薬指導をすることしか法律には明記されていなかったが、患者に薬を渡した後も電話で様子を聞いたりするのが本来の姿」と強調。「患者の状態を収集することで、処方医にフィードバックすることも可能になる。そのことで医療機関の医師等との連携やコミュニケーションが生まれる場合もある。今回の法改正の中では薬局と薬剤師に力を与えるため継続的な服薬指導を義務として法律に明記する形をとった」とし、医療機関と薬局の連携を進めることも目指す方向性との考えを述べた。

     

    ■また、服薬指導では対面の義務の例外として、一定ルールのもとでテレビ電話などによる服薬指導を規定することになる。森氏は、「これは薬剤師にとって重要なチャンスになる。フォローの仕方をオンラインというITを使った方法を併用して、遠くの患者さんでも様子をフォローできる。人員や勤務時間が限られている中で、患者のフォローを充実させるチャンス。オンライン服薬指導をもっと良いサービスを行うために使ってもらいたい」との見解を示した。森氏は「これまで薬剤師の姿が見えていなかったという問題意識があるが、今は患者に見られていること、積極的に仕事ぶりを見せることを意識し、患者に分かりやすく見せるように行動することで、薬剤師として評価されることを目指すのは大事なこと」とした。

  • 原則禁忌の一部を禁忌に‐新添付文書記載で方針‐厚生労働省

    ■厚生労働省は、来年度から適用される医療用医薬品の新添付文書記載要領について、バルプロ酸やペニシリン系抗生物質など11品目の原則禁忌の一部記載内容を「禁忌」の項目に移行する考えを薬事・食品衛生審議会安全対策調査会に示し、了承された。原則禁忌の記載内容は、基本的に新設される項目の「特定の背景を有する患者に関する注意」に移行する予定だが、これら11品目の一部記載内容は海外や類薬で禁忌とされていることから、関連学会の意見などを踏まえ、禁忌の項目に移すことが適当と判断した。厚労省は、原則禁忌から禁忌の項目に移行する一部の記載内容について、「使用上の注意」の改訂として通知し、今後も禁忌への移行が必要な医薬品を検討していく予定だ。


    ■今回、原則禁忌の記載内容のうち、一部を禁忌の項目に移行する医薬品は、▽アモバルビタール▽セコバルビタールナトリウム▽ペントバルビタールカルシウム▽バルプロ酸ナトリウム▽ヒドロキシエチルデンプン70000▽ペニシラミン▽セフェム系抗生物質▽ペニシリン系抗生物質▽グリコペプチド系抗生物質▽ペネム系抗生物質▽カルバペネム系抗生物質――の11品目。アモバルビタール、セコバルビタールナトリウム、ペントバルビタールカルシウムでは「急性間歇性ポルフィリン症患者」の記載、バルプロ酸ナトリウムでは「妊婦または妊娠している可能性のある婦人」の記載を禁忌の項目に移行する。


    ■また、ヒドロキシエチルデンプンでは「発疹等過敏症の既往歴のある患者」、ペニシラミンは「骨髄機能が低下している関節リウマチ患者」、抗生物質5品目は「過敏症の既往歴のある患者」の記載を禁忌の項目に移す。


    来年度から適用される添付文書の新記載要領では、原則禁忌と「慎重投与」の項目を廃止し、原則としてこれら項目の記載内容については、新設される「特定の背景を有する患者に関する注意」などの項目に移行することになった。
    ただ、海外や類薬の添付文書の記載から、禁忌の項目に移行することが適切と考えられる内容もあることから、国内外のガイドラインや関連学会からの意見を踏まえた上で、これら11品目を選んだ。厚労省は、今後も禁忌に移行することが適当な原則禁忌の記載内容がある医薬品の検討を続けていく予定だ。