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2020年10月号

  • フォロー後に連携、約7割‐処方変更や経過改善など(日本保険薬局協会)

    NPhAが調査
    日本保険薬局協会(NPhA)は、服用期間中フォローアップ事例と成果を集めた調査結果を公表した。それによると、今回報告された事例のうち、フォローアップ後に処方医への情報提供など連携につながった事例が73%と約7割に達し、処方変更や経過改善など何らかの成果につながった事例が95%とほどんどの事例で見られたことが分かった。
    調査期間は7月14日から8月31日で、報告数は会員20社282薬局からの525事例。主な調査結果を見ると、フォローアップ後に処方医への情報提供など連携につながった384例のうち、疑義照会を行った事例は110件(21%)となった。トレーシングレポートによって情報提供を行った事例が221件(42%)、処方提案を行った事例が70件(13%)となった。
    一方、何らかの成果につながった497事例では、処方内容の変更が見られたのが268件(51%)、服薬状況や副作用の確認など処方変更以外の成果につながったのが342件(65%)、服薬状況、体調、副作用においてフォローアップ後に改善が見られた事例が434件(83%)という状況。
    処方内容の変更が見られた268件の内訳は、副作用等の発現等により「薬剤の中止」が85件、「他薬へ変更」が65件、「減量」が37件、患者の状況に応じた「処方追加」が40件、「増量」が11件、服薬状況の改善等のための「用法変更」が16件、「規格・剤型変更」が14件、「一包化指示」が7件だった。
    処方変更された薬剤の傾向を見ると、「血圧降下剤」が24件で最も多く、次いで「下剤・浣腸剤」(22件)、「その他の中枢神経系用薬」(20件)が続いた。

     調査で得られた結果について、NPhAは「日常生活の中で薬物治療の経過をフォローアップすることによって得られた情報を処方医をはじめ、多職種に情報提供することで、処方変更や患者のアドヒアランス向上、治療経過の改善に間接的につながっており、治療効果の最大化と医療費抑制に貢献していることが示唆されている」と指摘。
    「患者や家族、連携先の医療機関から多くのお礼の言葉をいただき、かかりつけ薬剤師として新たに指名される事例も見受けられたことから、薬局の機能や薬剤師の職能を患者に理解、実感していただく機会にもなっている」とした。

  • 【薬薬連携で成果】副作用報告で3割禁忌に‐地域患者の安全性が向上

    東海大学大磯病院薬剤科と平塚中郡薬剤師会が外来患者の医薬品服用後の安全性を確保するため、地域の薬薬連携によって有害事象を収集した結果、薬局薬剤師による報告の約30%が病院のマスタ入力で禁忌に設定されたことが分かった。外来患者の入院前に禁忌となる薬が登録されていることになり、患者の安全性が大きく向上する成果となった。DPP4阻害剤による類天疱瘡の副作用を重症化前に発見できた例もあり、薬剤師が地域の患者を守っていることが裏付けられた格好だ。
     薬薬連携によって有害事象を収集する独自の「平塚中郡薬剤師会方式」は、2017年7月から運用を開始した。報告数は今年7月までに613件に達し、報告率は29.63%と約3割に上った。前東海大大磯病院の鈴木優司薬剤科長(現東海大病院薬剤部次長)は「保険調剤を行っていない薬局もあることを考えると、大きな成果」と語る。
    昨年7月までのデータでは、平塚中郡薬剤師会の会員135薬局から479件の有害事象が収集され、144件が東海大大磯病院に報告された。そのうち、約3割に当たる48件については同院のマスタ入力で禁忌に設定され、さらに6件は製薬企業による詳細調査につながった。
    鈴木氏は「薬局から提供された有害事象を製薬企業が詳しく分析することにより、有害事象の質向上につながるのではないか」と期待感を示す。その上で、「一番のポイントは、薬局からの有害事象報告をきっかけにした禁忌設定だと思う。外来患者に使ってはいけない医薬品を登録できるので、入院になった場合の安全性が高まる」と強調する。
    前望星大磯薬局薬局長の飯塚敏美氏(現望星築地薬局薬局長)は「薬局にとって有害事象報告は、服薬中の電話確認、その後の服薬期間中のフォローアップにも活用でき、様々な応用にも使えるという手応えを感じている」と実感を語る。
    薬薬連携によって、「医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子」に盛り込まれた医療機関との連名報告も実現した。具体的には、β遮断薬「ビソプロロール錠」の服用により、肝機能が上昇する有害事象を薬局で把握。検査値が不明のため、病院薬剤師に相談し、医師の了解を得て連名で報告したというもの。その結果、病院のマスタ入力でビソプロロール錠は禁忌に設定された。
    また、平塚中郡薬剤師会方式では、「有害事象ヒアリングシート」を医薬品卸のMSを経由して製薬企業に伝えるユニークな仕組みを構築した。MSの活用について、鈴木氏は「製薬企業のMRが減少する中、有害事象が発生したときに誰が対応するかと言えば、薬局を訪問できている医薬関係者はMSしかいない」と指摘。
    鈴木氏は、「薬剤師が有害事象を止めて、しっかり連携して医師にフィードバックし、患者を守っていることを数字で示せれば、本当の意味で薬剤師の底力をアピールできるのではないか」と今後の広がりに期待をかけている。