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2020年9月号

  • 顔認証付きカードリーダー‐薬局等からの受付開始(厚生労働省)

    厚生労働省は、患者が加入している医療保険の資格がオンラインで確認できる「オンライン資格確認」で利用する顔認証付きカードリーダーについて、医療機関・薬局からの受付を開始した。
     オンライン資格確認は、来年3月から運用開始の予定になっており、導入した医療機関・薬局は、オンラインで患者の公的医療保険の資格情報の情報が確認でき、患者の同意を得た上で薬剤情報や特定健診情報の閲覧も可能となる。
     オンライン資格確認の運用開始に向け、医療機関・薬局に対して、顔認証付きカードリーダーの受付を開始することになった。カードリーダーは、申請により社会保障診療報酬支払基金から病院には3台まで、薬局や診療所には1台まで無償提供される。医療機関・薬局では、顔認証付きカードリーダーでマイナンバーカードを読み取り、患者の本人確認や薬剤情報・特定健診情報を医師が閲覧することへの同意確認を行えるようになる。
    オンライン資格確認の利用開始に当たっては、支払基金への申請手続きとシステムベンダーとの相談・改修を行うよう求めている。
    一方、マイナンバーカードを健康保険証として利用するための受付についても、政府が運営する子育てや介護などの行政手続の検索やオンライン申請をワンストップでできる自分専用のオンラインサービス「マイナポータル」で開始した。
    厚生労働省は、今後2年間でオンライン資格確認等システムの機能を拡大する計画。現在、全国の医療機関・薬局で確認できる情報は薬剤情報・特定健診情報のみだが、2022年夏をメドに手術、移植、透析、医療機関名といった項目に拡大するほか、オンライン資格確認等システムを基盤とする電子処方箋の仕組みも構築する予定。

  • 専門薬剤師制度の標準化へ‐医療薬学会 奥田会頭、学会の連携模索に意欲

    日本医療薬学会の奥田真弘会頭(大阪大学病院薬剤部長)は、本紙の取材に対し、「専門薬剤師制度の公的認知度を高めるためには、制度設計の標準化が必要」と私見を語った。各専門分野の薬学系学会が様々な専門薬剤師制度を設けているが、専門医のように社会から認知された公的な制度として位置付けられるためには、各自がバラバラに取り組むのではなく、連携する必要があると指摘。「どのような連携が可能なのか模索したい」と意欲を示している。
    近年、薬剤師の活動範囲の広がりに合わせ、各専門領域に特化した薬学系学会が相次ぎ設立。同時に、各学会が運営する様々な専門薬剤師制度が立ち上がっている。現場の薬剤師からは、「数が多すぎるのではないか」と懸念する声が聞かれるのが現状で、専門薬剤師制度全体の標準化を求める声も少なくない。
    奥田氏は、「社会から見た時に必要な制度として専門薬剤師制度が位置付けられ、社会から支援を受けられるようにならなければいけない」との考えを示し、「医師の場合には、専門医を育成する公的な制度が設けられ、それをきっかけに各医学系学会の連携が必要になっている。専門薬剤師制度も今後こういった方向性を目指すべき」と語る。
    医療薬学会は1万3000人に迫る会員を擁し、医療に関わる薬剤師の基盤となる学会として認知されるようになった。専門薬剤師制度としては現在、日本病院薬剤師会から移管を受けた「がん専門薬剤師」制度のほか、ジェネラリストとしての能力を認定する▽医療薬学▽薬物療法▽地域薬学ケア――の三つの制度を運営している。昨年、各制度の認定要件見直しに踏み切った結果、分かりやすく一貫性のある制度設計になった。
    奥田氏は「最大規模の団体としての自覚に立ち、専門薬剤師制度のさらなる普及を図ることや、学会の制度設計が今後の専門薬剤師制度の標準として社会から認知が得られることを重視したい。今は、将来的な専門薬剤師制度の標準化に向けて、学会として土台作りに取り組む時期と考えている」と話す。
    医療薬学会がジェネラリストの認定に注力する一方、スペシャリストとしての能力を認定する専門薬剤師制度は、各領域に特化した医学系学会や薬学系学会が数多く構築している。今後、これらの学会とどう連携するかが課題になる。
     奥田氏は「医学系学会や他の薬学系学会との連携に基づいた研修事業や学術事業を推進すると共に、専門薬剤師制度についてもサブスペシャリティーのあり方も含めて、他の学会とどのような連携が可能なのか模索したい」と言及。
    個人的な考えとしながらも、「専門薬剤師制度のあるべき姿について話し合い、連携を進めながら、最終的には日本の専門薬剤師制度も、米国の専門薬剤師制度や専門医制度のように認定機関による認定を目指すべき」と話している。