世界における電子カルテの市場規模や普及率をご紹介
電子カルテは医療の現場において、ミスの防止や業務効率の改善などに使用される、紙カルテに代わる機器です。
厚生労働省によると、日本における電子カルテの普及率は40%程度ですが、世界での普及率はどのようになっているのでしょうか?
本記事では、世界における電子カルテの市場規模や普及率についてご紹介します。
世界における電子カルテの市場規模・普及率
医療業界において、医療の質の向上と世界各国ではICT化が進められています。
さまざまな患者さんや病気に関する情報を多くの医療機関で共有することによって、予防医療や健康状態、個人対応のサービス向上といったメリットが期待できます。
そのため、世界各国では電子カルテをはじめ、データ共有やネットワークの構築に関する取り組みが盛んに行われています。
しかし、電子カルテについては国によって普及率・導入率が異なります。
たとえば、イギリスでは地域連携ネットワークや情報共有システムの構築、かかりつけ医の存在などにより、電子カルテの普及率は100%に近い状態です。
一方、アメリカの場合は導入にかかるコストが問題となり、医療機関全体の70%程度にとどまっています。
日本における電子カルテの市場規模・普及率
厚生労働省の調査によると、日本では電子カルテの導入率は40%程度と言われており、下記の理由によりイギリスやアメリカよりも普及が遅れている状態です。
導入コストが高い
電子カルテの導入には、インターネット環境やシステムの構築といった作業を行うにあたって多くの費用が必要となることが、普及が遅れている理由のひとつとして挙げられます。
導入コストについては下記のような補助金制度を利用することで、医師の金銭的負担を軽減することができます。
- IT導入補助金
- オンライン資格確認関係補助金
- 医療情報化支援基金
ITリテラシーが乏しい方が多い
医師のなかには高齢者や、新しいことを覚えることが苦手な方もいらっしゃいます。
これまで紙カルテで問題なく診療を行えていた方にとって、電子カルテは操作が複雑に感じたり、データの取り扱いにわずらわしさを感じたりすることでしょう。
そのような方でも、電子カルテのメーカーでは操作やアフターサービスといったサポートを行うため、はじめは操作が難しくても徐々に慣れ、電子カルテを十分に使いこなすことができるようになります。
日本における電子カルテの市場規模や普及率を詳しく知りたい方は、下記当社ページをご参照ください。
当社コラムページ:「【電子カルテの普及率】日本での普及は進んでいる?」
(https://www.yuyama.co.jp/column/medicalrecord/electronicmedicalrecord-penetration/)
世界における医療情報の利用状況
こちらでは、世界における医療情報の利用状況についてご紹介します。
イギリス
イギリスでは2013年に設立されたNHS DigitalやCPRDという組織がデータベースを運営しています。
それぞれ、業務効率改善などを目的とした一時利用や、コスト分析などの医療行為の改善を目的とした二次利用の際にデータが使われています。
データベースには6,000万人ほどの患者さんの情報が蓄積されており、個人を特定できる情報を除き、電子カルテやレセプトで診療情報を参照することができます。
アメリカ
アメリカでは保健福祉省傘下のCMSがデータの管理を行っており、主にレセプト情報の二次利用を目的としたデータベースが構築されています。
データベースに保存されている患者さんの数は5,300万人程度ですが、各医療機関からCMSへのデータ提出が自動化されているため、これからも多くの情報が蓄積されるようになっています。
おわりに
本記事では、世界各国の電子カルテの市場規模や普及率についてご紹介しました。
国によって電子カルテの導入率にばらつきがあり、アメリカでは70%程度、イギリスでは100%に近い導入率です。
業務効率の改善が期待できる電子カルテを導入していない方は、補助金制度を利用したり、メーカーの指導を受けたりしながら導入を検討してはいかがでしょうか。
株式会社ユヤマ
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